- 新人に教えてって言われたけどどうやったらいいかわからない
- 教えているのに後輩が理解してくれない
- 教えるのは苦手だな。
仕事を後輩に教えることは思っているより難しい。
その難しい理由や教えるときにやってはいけないことを紹介します。
無意識にやってしまっていることもあるので、自分自身がどんな教え方をしているか客観的に見てみましょう。
仕事の全てができるようになってはじめて教える側になるわけではありません。
何か一つでも習得すればそのことに関しては後輩に教えることができます。
教師という職業があるように教えるということは大変なスキルと知識が必要です。
知識は教師のように膨大な量がなくても、自分自身ができるようになったことがあれば大丈夫。
教えるスキルはこれから身につけていきましょう。
教えることが難しい理由
言葉で説明することが難しい
仕事に慣れてくると一つ一つの動作が当たり前にできるようになってきます。
その一つ一つの動作を言葉で説明することは意外と難しいものです。
「こうやって」とか「あれをこうする」というような指示語を多用するようになります。
初めてやることに対して指示語が多用されると教わる側は言葉がつながらず理解しにくくなります。
また、無意識に使う「共通言語」も理解しにくくなる要因です。
共通言語とは職場や業界内で使われる言葉で、それは新しく仕事をはじめた人には理解できない言葉です。
共通言語が育成の中に説明がないまま使われると大筋自体が分からなくなりかねない危険性があります。
自身が教わった時のことを忘れている
誰もが最初は先輩に教えてもらっています。
しかし、緊張もあり教わったことの半分も覚えてはいないと思います。
やり方はかろうじて覚えて実践できても、目的や注意点など細かなところは忘れてしまっているはずです。
何度かやっているうちに先輩からの指摘や注意があり自然と身についていきます。
その自然と身についてきた点に関しては教える際に抜け落ちてしまいます。
自分自身に自信がない
自分が仕事をする場合は明確なミスがなければとりあえずOKと思っていてもいざ教えるときになると
「これで合ってるのか?」
「教え忘れがないか?」
など不安になります。
今までやってきた作業についても間違えたことをやってきたわけではないはずです。
しかし、教える側になり細部まで意識をしてみると曖昧なところが見えてきて不安になります。
また後輩からの質問にしっかり答えることができるかどうかの不安もあります。
教えることが苦手という意識
上記のようなことがすべて合わさって「苦手」という意識になります。
「出来ないと思われたくない」
「わからないことがあることを知られたくない」
などの気持ちの表れとして「苦手だからやりたくない」という気持ちが生まれます。
失敗しない一番の方法はやらないこと
教える人が教わる人から学ぶこともたくさんあります。
人それぞれの立場や力量に合った教育を任されるはずです。
人に教えたことがまだない人やまだ教えることになれていない人は新人さん、後輩さんと一緒に成長する気持ちでやってみるといいと思います。
教える時のNG行為
大前提として、講義のような1対多人数での教育ではなく、1対1の教育の場合を想定しています。
座学特化の詰め込み授業
自分の持つ知識を相手の理解度を把握せずに教えていく状態です。
はやく色々覚えてもらいたいという気持ちも手伝って時間がある限り一度にたくさん教えようとしてしまします。
人によっては覚えられる人もいますが、ほとんどは「なんとなく理解した」くらいの理解度で終わります。
自分自身はすでに知っているから苦にはなりませんが、はじめて教わる場合はすべてが新しい情報です。
相手のキャパシティを超えていないかを確認しながら進める必要があります。
早口で教える
プレゼンでもこのような経験をしたことがある人も多いと思います。
人は緊張している時や自信がない時などに早口になる傾向があります。
「早く終わらせたい」
「質問が来る前に終わらせたい」
など逃避の気持ちの表れです。
早口になると聞き手は聞き逃しがあったり、理解する前に次に進んでしまったりと中途半端な状態になります。
早口での説明は双方にデメリットしかありません。
教育は自分自身にとってもスキルアップのチャンスです。
まずは落ち着いてゆっくり話すことから始めましょう。
教えて放置
聞いただけですぐできる人はなかなかいません。
また、教える際に言葉にしきれていないこともたくさんあります。
教えた後、実際の行動をしっかり見てあげるようにしましょう。
正しく動けているかの確認になるだけでなく、自分自身が教え忘れをしていないかの確認にもなります。
またイレギュラーなことが起きた際のフォローもできます。
最初は見ていてもらえるということは安心感にも繋がります。
振り返りをしない
【できたこと】や【できなかったこと】を明確にする為に振り返りを行うようにしましょう。
できなかったところをの改善案や次のステップのための目標設定も行えます。
大事なのはできたということを本人が自覚するということです。
この「できた」の積み重ねが成長なので、「できた」を実感できる場をつくるようにしましょう。
教える際に大事なのは「安心感」を持ってもらうということ。
- 丁寧に教えてくれる
- 話を聞いてくれる
- 困ったときに助けてくれる
- 褒めてくれる
- しっかり見ていてくれている
ということを感じたら、警戒心もなくなり教わることや覚えることに集中することができます。
仕事を教えることはとても価値のあること
わかります。
丁寧に教えたのに
「なんで?」
と思うことがよくあります。
しかし、人の成長速度はまちまちです。
すぐできる人もいればそうでない人もいますし、すぐできることがあればなかなかできないこともあります。
自分を基準に考えてしまえばできないことは「なんでできないんだ?」となってしまいます。
「はじめてだからできなくて当然」という意識をもって教えていきましょう。
出来なかったことを責めるのではなく、どうやったらできるようになるかを一緒に考える、もしくは考えさせるようにする。
そうしていくと後輩の成長がしっかり見え、自分の喜びにもなっていくと思います。
教えるということはとても重要なスキルです。
組織で活動する上で後輩や部下は必ずできます。
教えることができれば、その業務を任せて自分はさらにワンランク上の仕事に挑戦することができます。
自分自身がキャリアアップするための最初のステップが教えるということになります。
早いうちにそのスキルを磨くことはそれだけで大きなリードを持つことにつながるはずです。