昔は繁盛していて儲けられていたなぁ
美味しいものを作っていればお客様は来る!
飲食業がきついのは外部環境が悪いからだ!
実際に飲食店を運営していて
本当にそう思います!
思いますが、思っているだけでは
どんどんお客様は離れていき、業績は悪くなる
だけです。
外部環境は確かに悪い。
悪いですがそれはあなただけに影響を与えているわけではありません。
同じ土俵で戦う以上、そのフィールドを受け入れた上で運営をしていくしかありません。
今回の結論は
・取り巻く環境を整理、分析する
・時代に合わせた変化を受け入れ、
その中で自分にできることからやっていく
これしかありません。
努力することは必要ですが、正しい努力をしないとすべては無駄になります。
真面目にコツコツだけでは成果が出ない状況になっていることをまず受け入れましょう。
慢性的な人員不足
人員不足はすべての店舗ではないにしろ、もう何年も続いています。
- 学生メインのアルバイトという雇用形態のため毎年採用が必要
- ブラックという風評が広がったためアルバイト応募が減少
- フリーターの減少
- 最低賃金が上がる半面、扶養控除上限103万円が変わらないため必要在籍人数を増やす必要がある
- アルバイト層の価値観の変化(お金よりライフバランス)
こういった要因があり人員不足に悩まされる状況が続いています。
人員不足が顕著になると私自身も経験がありますが
売れなくても地獄 売れても地獄
という心境に陥ってしまうことも少なくないはずです。
この心境になってしまったら、お客様の来店が喜べなくなってしまっています。
ただその日の営業を終えることだけを考えます。
それでは継続はできません。
お客様の変化
コロナ禍以降、顧客の要望に大きな変化がありました。
- 外食の頻度を下げる少ない
- 外食の機会のため店に対する要望が高い
- 衛生面へのアンテナが高い
疲弊した店舗と要望が高まったお客様とのギャップが生まれています。
最低限これらを解消することが必要です。
変化したお客様への対応
飲食業は比較的アナログな業界でした。
作業は効率的にし、接客はとにかく丁寧に手厚くが主流でした。
今は違います。
予約はネットで取る
オーダーはタッチパネルから(もしくは自分のスマホから)
提供や下げ物は配膳ロボットが行う
お会計はセルフレジやセミセルフレジ
こういったシステムが当たり前になっています。
人と人のかかわりの中成長してきた飲食業でしたが、もはや人は商品を作るだけという業種になってきています。
顧客もそれを求めていることが多く、店舗側でも人員不足から導入した方がメリットがある。
古き良き時代をただひたすら続けているだけでは時代に取り残されていくだけです。
薄利多忙の業種
飲食業に限らず影響を受けているのが、外部環境の変化です。
上がり続ける最低賃金
仕入れ原価の上昇
エネルギー、特に電気代の大幅上昇
DX化を進めるための導入費用と維持費用
経費が上がり続けるため、同じ売上を計上できても手元に残る利益はかなり減少しました。
そしてコロナ前と同じ売上を計上することすら困難な時代になっています。
忙しい営業を終え、疲れていても売上を見ればやり切った達成感がありました。
しかし今はそこから捻出される利益はかなり少ない。
人手不足もあり体感ではかなり忙しく疲労も大きい営業を行った挙句、赤字ということもあります。
儲けるためのビジネスとして考えた場合、割に合わないことは間違いない。
だからこそ『やりがい』を持って取り組む必要があります。
お金とやりがい
これからの飲食業もAIの技術を導入していかなければ成り立たなくなります。
仕入れ原価(変動費)は個人の力では変えることは難しい。
もちろんコントロールをすることはできますが、食材を仕入れて調理し販売している以上必要な食材の仕入れは絶対で、かつ仕入れ価格を決めることはできません。
売上を増やすには人手が必要
人員不足で増やすことができない
少ない人数で最大限の売上を積むにはヒトの代わりにテクノロジーに働いてもらう必要がある
電話予約 → ネット予約…予約受付短縮
ご案内・ウェイティング対応 → 案内パネル…受付人員カット
テーブルを回ってのオーダー受注 → タッチパネルやスマホオーダー…オーダー受注短縮
オーダー提供、食器などの下げ物 → 配膳ロボット…接客時間短縮
お会計 → セルフレジやセミセルフレジ…会計のための人員カット及び会計ミス防止
業態によっては商品作成まである程度ヒトから離れることができるものもあります。
これらの導入によってヒトが行う業務を減らすことで人件費の削減とともに人手不足の解消にもつながります。
もちろん導入コストがかかり、維持費もかかります。
故障や不具合が起きた際にはメンテナンス費もかかります。
しかしカットできた人件費の方が大きくなるでしょう。
テクノロジーの導入でお客様とのかかわりも少なくなり、一緒に働くスタッフの人数も激減します。
業態によっては2人、下手すれば1人で営業をすることもあるでしょう。
こうなってくると
飲食業って何?
と考えます。
この現状にやりがいを見つけられるかどうかが続けていく上での鍵になると思います。
- 取り巻く環境の中、それでも利益を出すことへのやりがい
- 作り上げてきたブランドを守り継続していこうという責任感
これらを持ち合わせていれば現状を受け入れどんどんテクノロジーの導入を進めるべきです。
経営者や経営幹部はこの考えが多いかもしれません。
- 人との関わりを求めている人
- 喜んでくださるお客様が好きで飲食業をやっている人
こちらはかなり違和感を持つと思います。
現場で働く人はこの考えがほとんどでしょう。
お客様と関わる時間がかなり少ない、もしくはない。
しかしあらゆるところをテクノロジーに任せられる分、自由に動ける時間もできます。
その時間を使って積極的にお客様に関わっていくことで差別化につながる可能性もあります。
店舗スタッフの気遣いや会話を喜んで下さるお客様は必ずいます。
テクノロジーで効率化を高め、人の手で非効率で温かみを感じるサービスを行う。
どこにやりがいを見出していくのかを考え、どこまでをテクノロジーに、どこを自分自身でやるのかを見極めていきましょう。
店舗の規模やレイアウト、営業時間、来客人数によって導入できるテクノロジーやそれにかけられるコストも変わってきます。
最大限の効果が得られるものを選別しましょう。
まとめ
今、飲食店を取り巻く環境は過去見ないほど厳しいものになってきています。
これは時代の流れの中で止めようのない事実です。
まずはその現状を理解し受け入れましょう。
やり方は無数にあります。
やりがいは人それぞれで、その人の中に一つです。
どういう働き方をしたいのかをしっかり考え、芯をもって取り組まないとただただきつい仕事でしかない業種です。
変わりゆく時代に取り残されないように変化に対応しながら自分らしい働き方を見つけていきましょう。