ずっと飲食店で働いてきて、生き生きとスタッフが働いている時があったり、自分自身「失敗したな」と思うこともありました。
自分自身の能力や向き不向きを考えてしまうと思いますが、環境や人間関係のほうがより大きな影響力を持っています。
飲食店で働いていて続けるべきか辞めるべきか悩んでいるアルバイトの方がその判断ができるようになります。
これから始めてみようかと考えている方にも参考になります。
辞めるべきかの判断基準は働いている環境
はじめたばかりの頃は分からないことだらけで覚えることはたくさんあり、注意されることも多いはずです。
それは誰でもそうです。
はじめから完璧にできる人はいません。
それを理由に辞める決断をするのはもったいないことです。
人はみんながみんな強い意志を持っているわけではない。
環境があって人は成長します。
その環境を見てみましょう。
- スキル最優先の店内風土
- いつも店長の不満を言っている
- ポジティブなコミュニケーションが少ない
ぼく自身飲食業が好きです。
上記に当てはまるような環境に長くいて飲食業を嫌いになってしまうととても悲しいです。
そしてもちろんこのようなお店ばかりではありません。
スタッフが楽しく正しくのびのびと働けているお店はたくさんあります。
そういうお店に早く移りましょう。
解説するまでもないですが一通り解説します。
スキル最優先の店舗風土
「遅い」「もっと早く」「あいつは仕事ができない」などの言葉をよく聞く場合はこの傾向が強いです。
特に店長にこの傾向が強いと店舗風土になっていることが多い。
仕事をするうえでスキルは本当に必要です。それは十分に理解しています。
もちろんスキルが高いに越したことはありませんがそれ以外にも
- 接客が丁寧
- 知識がある
- 手が空いたときにできることを探してやっている
など評価できるポイントはたくさんあるのでそういうところが見てもらえない可能性があります。
以前はぼくはスキルの高いアルバイトさんを重宝しており、この傾向が強い店長でした。
その結果、スキルは高いけれどちょっとしたミスなどに対して敏感に反応するアルバイトさんが常にいる店舗になってしまっていました。
営業中でも怒鳴り声が響くようなことが毎週末に起こっていました。
そんな営業には誰も入りたくないですよね。
幸いスタッフ間のコミュニケーションがよかったので店舗崩壊するようなことはありませんでしたが、そこはぼく自身の力量ではなくアルバイトさんの人柄に救われていたにすぎないという反省点があります。
いつも店長の不満を言っている
店長も人間なので完璧ではありえません。
多少の不満が出てくるのも致し方ない部分です。
しかし、店長への不満がまん延している状態は店舗全体の健全度が大きく下がります。
そうなるとモラル面が下がり通常ならあり得ない事故、事件が起こる確率が上がります。
そもそも、店長への不満がまん延している状況というのは、店舗としての方向性や意思統一が出来ていないという状況です。
この状況で何かの成果を出すのは不可能といえます。
店長が尊敬できるかどうかは一番大きな基準です。
尊敬というと仰々しいかもしれないので、単純に好きになれるかどうかと言い換えてもいいと思います。
特に学生のアルバイトさんにとっては店長は一番身近な働いている大人です。
たとえご両親でも働いているところを直接見ることは多くないと思います。
本来、店長から仕事や働き方についていろいろ学ぶところが多いはず。
就職活動の時など社会人の先輩として相談に乗ってくれることもあるでしょう。
とはいえ、たくさんの店舗があり、たくさんの店長がいる社会ですべての店長が尊敬できるかといえばそうではありません。
親や上司は選べないといわれますが、アルバイト先の店長は店をかえることで選ぶことができます。
良くも悪くも店長で店舗の状況は大きく変わります。
店長に不満はある。
しかしその不満を吸い上げて店長に伝えらえる人がいる。
店長が不満に対して素直に受け入れ改善してくれる、もしくは理由や意思を説明してくれる。
こういったサイクルができていれば不満があっても良い方向に進めるお店になります。
ポジティブなコミュニケーションが少ない
店長の不満にも重なるところがありますが、不満、愚痴、陰口などが多いケースです。
これが増えてくると頑張ろうとしているスタッフの足を引っ張ります。
この環境下ではスタッフの健全度がどんどん下がっていきます。
環境は使われている言葉に大きく影響を受けます。
ネガティブな言葉が行きかう環境はネガティブが当たり前になります。
愚痴、陰口が多いと人のあらを探すようになり、寄口、陰口が増えていきます。
また、ネガティブな話題を共有するグループもできてきます。
協力する意識が減り、自分中心の意識が高まる傾向があります。
逆にポジティブな言葉が行きかう環境では相手を認める意識が高くなります。
相手を認めるというのはよいところだけを見てほめるだけではなく、注意するべきところは注意する、叱るところは叱るということです。
受け取り手も受け入れることができます。
相手を認めるからこそ信頼が生まれる人間関係ができます。
ポジティブな言葉と楽観的な言葉は違います。
ミスを「まあいいか」ですませてしまったり、どんなことも「何とかなる」と流してしまうのは何も考えていないだけです。
ポジティブな言葉とは現状を受け入れ賞賛したり改善していく言葉です。
結論
店舗でどのような言葉が使われているかが分かりやすい大きなポイントです。
環境は使われている言葉に大きく影響を受けるからです。
同じ店舗でも時期によって状況が変わります。
一番大きな変化は店長の異動です。
それほど店長の影響力は大きいものです。
店長によって働きやすい店舗にもなるし逆もあります。
店長が尊敬できる人ならばすべての問題は解決に向かうと思います。
働きやすい店舗の見つけ方
はっきり言って飲食業はなかなか厳しい仕事だと思います。
理不尽なことも結構あります。
しかし、いいこともたくさんあります。
ただ、いいことが起きる前提条件として楽しんで働けているということが挙げられます。
募集案件だけではわからない
今はインターネットが大きく普及しいろいろな情報がスマホ1台で簡単に手に入ります。
電話すらも必要なく予約ができたりもします。
募集案件もすぐ調べられます。
しかし画面の情報を見ても書き方と条件違うだけでほとんど内容は同じです。
そもそも募集サイトには書ける範囲が決まっているし、何とでも書けます。
食事に行く店を調べるのとは違い口コミのようなものもありません。
ここでは勤務条件はしっかり確認しておきましょう。
- 時給
- 勤務時間
- 交通費
- 福利厚生
などはここでわかる情報です。
働いたときに実態と異なることもあるので記録に残しておきましょう。
実際に食事に行ってみるのが一番
結局、自分で直接見るのが最も正確な情報です。
- 働いている人はどんな感じか(特定の一人ではなく全員見るようにしましょう)
- 接客中以外の雰囲気
- トイレの清潔度
- 先輩と後輩の接し方
- 直接スタッフに聞いてみるのもあり
就職ほどではないにせよ、アルバイト先は自分の時間を費やす環境です。
文字の情報だけで判断するべきではありません。
就職活動のように隅から隅までいろいろ調べる必要はありません。
お店の雰囲気が感じられればOK。
接客中以外のスタッフの様子や会話などが確認できるといいと思います。
アルバイトは家や学校の近くもしくはその通過点でたいてい探す人が多いと思います。
募集しているから応募するのではなく、応募する前に一度足を運んでみることをお勧めします。
きっと募集サイトではわからなかったところが見えてくるはずです。
働きたいと思えたならその場で直接申し込むといいでしょう。
募集費は高額のため常に掲載している店舗は少ないものです。
掲載していなくても応募が来ると店舗側にもメリットがあります。
食事をしてみてよかった点を伝えれば採用してもらえる可能性も大きく上がります。
まとめ
辞めるべきか続けるべきか悩んだ場合は店舗の環境を振り返ってみてください。
店内で行きかう言葉が前向きな言葉が多い店舗は続ける価値があると判断できます。
店長が及ぼす影響は大きく、店長で店舗が決まるといっても過言ではありません。
店長が尊敬できる人ならば、悩んだときは相談してみましょう。
必ず応えてくれます。
アルバイト先を探す場合は、できればネットなどの募集だけを見て判断しないようにしましょう。
たとえアルバイトとはいえ、人生の貴重な時間を使う場となります。
一度足を運んでみて実際の空気を感じてから判断するほうが良い環境で働ける確率が上がります。
飲食店の仕事は決して楽ではありません。
しかし、働いてみてわかる魅力もたくさんあります。
せっかくたくさんある仕事から飲食店を選んで始めるのであれば、友達や家族を紹介できるような店舗で働き、社会に出て「楽しかった」「よかったな」と振り返ることができる店舗で働いてほしいと思っています。
また自分もそういう店舗をこれからも運営していきたいと思っています。